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離婚

家庭内別居で会話もない、離婚はできる?

夫婦 離婚

配偶者とはもう会話もなくて家庭内別居している。
こんな結婚、意味ないからもう離婚したい・・・
家庭内別居が原因で離婚できるのか知りたい。



本記事の内容

  • 家庭内別居で会話もない、離婚はできる?
  • 家庭内別居状態での離婚手続きについて
  • 別居した場合、何年で離婚できるか




家庭内別居するまでに夫婦関係が悪化すると、とうぜん「もう離婚したいな…」と思う方もいるはず。


私も元夫とは1年半くらい家庭内別居をしたあとに離婚しました。私の家庭内別居の体験談は下記記事で書いています。

関連記事>>家庭内別居の実態&リアルな家のなかの雰囲気はどんな感じ?




家庭内別居をしていると、自分が何のためにここにいるのか、会話のない冷たい家庭になんの意味があるのか分からなくなることがあります。


本記事では、離婚したいと思ったとき「家庭内別居」が理由で離婚できるのか?を深掘りします。


家庭内別居で会話もない、離婚はできる?

夫婦

まず結論からいうと、家庭内別居が理由での離婚は認められていません。

家庭内別居が理由で離婚はできない

家庭内別居は同じ家に住んでいるため、じっさいには夫婦関係が破綻していても、そう判断してもらえず離婚原因としては認められていないのが現状です。


「何年も家庭内別居をしていればもはや別居と同じだし、婚姻関係が破綻しているのは予想できるんじゃないの?」と思う方もいると思いますが、家庭内別居は別居とは認められません。


協議離婚ならどんな理由でもOK

夫婦間でおたがいが同意してする「協議離婚」であれば、家庭内別居だろうが性格の不一致だろうがどんな理由でも離婚できます。


協議離婚は、民法第763条「夫婦はその協議で離婚をすることができる」と決められているとおり、夫婦間でおたがいが離婚することに同意して届出を出せば離婚が成立します。


日本では約90%の夫婦が協議離婚で離婚するそう。


しかし夫婦のどちらかが「離婚したくない」と言った場合は家庭内別居が理由での離婚はむずかしくなります。


それでも離婚したい、となれば調停や裁判をして離婚請求をすることになります。


夫婦が離婚できる条件とは

民法第770条では、夫婦が離婚を請求できる理由として次の5つをあげています。

”夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

1、配偶者に不貞な行為があったとき。
2、配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3、配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4、配偶者が強度の精神病に罹り、回復の見込みがないとき。
5、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 ”

引用: 民法第770条



残念ながら家庭内別居はこの5つの理由には当てはまりません。


しかし家庭内別居することになった理由によっては、離婚できる条件に当てはまる場合があります。

  • 不倫や浮気などの不貞行為
  • DV(ドメスティック・バイオレンス)
  • かくれて借金をしていた
  • 生活費を渡さない
  • ひどいギャンブル癖がある など



これらの理由によって家庭内別居したことを証明し、婚姻関係が継続しがたいと認められれば離婚することができます。

家庭内別居が原因での離婚率は?

上記で説明したように、家庭内別居自体は離婚理由として認められていないので、家庭内別居が原因での離婚率の統計はありません。


しかし厚生労働省の調査では、じっさいに別居した夫婦は別居後1年以内に離婚することが多く、別居後に離婚する夫婦は約70%にもおよぶということが分かっています。

同年別居離婚件数及び離婚全体に占める割合の年次推移 -昭和25~平成20年-

グラフ

引用:厚生労働省 平成21年度「離婚に関する統計」



年齢別に見た離婚率

男女差はあるものの、もっとも離婚率が高かったのが30代前半の夫婦で、次に30代後半の夫婦となっています。


私も30代前半で家庭内別居をして離婚したのでぴったり当てはまりました…。

夫妻の同居をやめたときの59歳までの年齢(5歳階級)別にみた離婚率(人口千対、同年別居)の年次推移 -昭和25~平成17年-

グラフ


グラフ

引用:厚生労働省 平成21年度「離婚に関する統計」




じっさいに別居するまでには家庭内別居を経ている夫婦も多く、日本の離婚理由の第一位は「性格の不一致」という点から考えても、家庭内別居や別居が続くと夫婦関係の修復がむずかしいことが分かります。


家庭内別居状態での離婚手続きについて

夫婦

ただ家庭内別居を続けるだけでは離婚するのがむずかしいことが分かりました。

離婚したかったら別居するのがベター

家庭内別居状態で離婚したい、と思うならじっさいに別居するのがベターです。


もし配偶者が離婚に同意してくれればいいですが、拒否された場合は家庭内別居のまま離婚をすすめるのは不利なことがあります。

家庭内別居状態で離婚をすすめる問題点

家庭内別居をつづけたまま、離婚準備を進めることの問題点は以下のとおりです。

  • 婚姻関係の破綻を証明しにくい
  • 自身に不利な証拠がみつかるかもしれない
  • 離婚準備を悟られやすい
  • 気持ちが揺らぎやすい
  • 子供に悪影響を及ぼす危険性



婚姻関係の破綻を証明しにくい

上記で説明したように、家庭内別居でも同じ家で生活している以上、婚姻関係が破綻しているとは認めてもらえないのが現状です。


そのため離婚自体が認められなかったり、認められても慰謝料が発生したりする可能性があります。


自身に不利な証拠がみつかるかもしれない

同じ家で生活しているため、自身の私物を配偶者に見られる可能性があります。


もし浮気していれば携帯電話を見られて証拠を集められるかもしれないし、配偶者に隠している財産があれば資産状況をチェックされることもあります。


関連記事>>家庭内別居中の浮気や不貞行為、慰謝料はとれる?
関連記事>>家庭内別居中の不貞行為で慰謝料請求するには証拠が必要?


離婚準備を悟られやすい

家庭内別居をしていても、配偶者はその状況で満足していて離婚を考えていないことがあります。


水面下で離婚準備をすすめていても、郵便物やかかってきた電話などから離婚準備をすすめていることがバレてしまうかもしれません。


気持ちが揺らぎやすい

家庭内別居をしていても完全に配偶者と顔をあわせないことはむずかしいです。


なにかのきっかけで、思いもよらないことから夫婦関係が修復されたり、配偶者の気持ちが変わったりすることもあります。


おたがいが納得の上で仲直りできればとてもいいですが、自身の気持ちには変化がないとき、配偶者と顔をあわせることによって、精神的に不安定になったり不安感が強くなったりすることがあります。


子供に悪影響を及ぼす危険性

夫婦間に子供がいる場合、子供の精神状態に悪影響を及ぼす危険があります。


じっさいに別々に暮らしていないため、子供によっては「仲が悪いだけで離婚はしないはず」「いつか仲直りしてくれる」と希望を持っている子供もいます。


そこから離婚するとなれば、子供の気持ちが必要以上に傷つく恐れがあります。

関連記事>>家庭内別居が子供に与える影響は?ストレスだけじゃない!


婚姻期間中は婚姻費用を分担する義務がある

経済的に別居はできない、と考えて家庭内別居を選択している方もいますよね。


しかしじっさいに別居しても、夫婦には離婚前は婚姻費用(生活費)を分担する義務があります。


もらえる生活費については下記記事で書いています。

関連記事>>家庭内別居中の生活費はいくらもらえるのが相場?


もし絶対に離婚したいと考えている場合、配偶者に不貞行為などの問題がなく、家庭内別居を続けた先に離婚できる可能性は高くありません。

また離婚できたとしても時間がかかることが予想されます。




完全に別居して離婚する手続きを進めていくことも検討するべきかもしれません。


実際に別居した場合、何年で離婚できる?

別れ

ではじっさいに別居した場合は、何年間の別居期間があれば離婚が認められるでしょうか。

別居期間が5年以上が目安

何年間と正確な年数は決められていませんが、過去の判例では別居期間が5年以上になると、夫婦関係が破綻しているとみなされやすく、離婚が認められやすいようです。

夫婦には同居義務がある

夫婦には民法第752条で「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。


転勤や病気などのやむをえない理由や、夫婦おたがいが別居に同意した場合以外で、勝手に夫婦の家から出ていった場合は同居義務違反となります。


別居期間が長くなるほど離婚しやすい

別居期間が長くなるほど、民法第770条の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という離婚事由に当てはまります。


別居期間が長く続いていれば、夫婦としての関係性が機能していない、つまり夫婦関係が破綻しているとみなされます。


過去の判例からすると5年の別居期間がひとつの目安といえますが、夫婦によってケースバイケースになります。

有責配偶者の場合は離婚するのはむずかしい

「離婚したい」と考えている本人が有責配偶者である場合は、5年別居期間があっても離婚するのはむずかしいでしょう。

  • 有責配偶者とは、離婚の原因をつくった張本人で、夫婦関係を破綻させた配偶者のこと。



夫婦関係を破綻させる行為とは、DVや不貞行為などがあります。


一般的に原因をつくった本人からの離婚請求は、人道上みとめられないのが原則です。まぁあたりまえですよね。



この場合別居が5年以上の長期間であっても、離婚が認められるかどうかはそのケースによります。

有責配偶者からの離婚が認められるケース

夫婦関係を破綻させる原因をつくった有責配偶者からの離婚請求は原則認められていませんが、次の条件すべてを満たした場合、認められることがあります。

  • 別居期間が、それぞれの年齢や同居期間を比較してかなり長期間になる場合
  • 夫婦の間に未成熟の子供がいない場合
  • 配偶者が離婚することによって過酷な状況におかれない場合



別居期間が「かなり長期間」といっても、過去認められたケースでは最短6年~35年とまちまちです。


「こうだから認められる」などはなく、有責配偶者の責任の果たし方や夫婦間にある諸事情など総合的に見て判断されているようです。



離婚調停や裁判になった場合、自分の家庭内別居状態がどう判断されるのかはケースバイケースです。


家庭内別居にいたった経緯などをふくめて、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。



失敗しない離婚に強い弁護士を見つける方法については下記記事でまとめています。

関連記事>>日本法規情報の評判と口コミ【失敗しない離婚に強い弁護士を選ぶ方法】

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