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✔本記事の内容
- モラハラ加害者がする「試し行為」とは?
- 試し行為をする心理、理由
- 試し行為への対処法とは
相手の関心が自分に向いているかどうか確認する「試し行為」は、おもに自分の気持ちを言葉にできない未熟な子供にみられる行為ですが、モラハラ加害者もターゲットに「試し行為」をします。
そしてモラハラ加害者の試し行為は、さらにモラハラをエスカレートさせる危険があります。
本記事では、モラハラ加害者から「試し行為」をされたときにどうすればいいのか、その心理や対処法などを紹介します。
モラハラ加害者がする「試し行為」とは?

試し行為とは
試し行為(試し行動)とは、相手から愛されているか、関心を持たれているか確信がもてずに不安でどうしようもなく、言葉や行動で相手を試して関心をひく行動のことです。
普通の恋愛でも、ちょっとしたすれちがいで「彼は本当に私のことを好きなのかな?」「もしかしてほかに好きな人ができたのかもしれない」と思うことはありますよね。
しかし試し行為をしてしまう人は、自分に自信がなかったり、相手に執着しすぎるせいで疑心暗鬼になり、相手を信じることよりも自分の不安が勝ってしまいます。

「相手に愛されていること」を実感するために試し行為をして、相手の愛情をはかる行動にでます。
試し行為ですること
試し行為は、下記のような行動で相手を試します。
すぐに別れ話をもちだす
気に入らないことや思い通りにならないことがあるとすぐに別れ話をもちだすのも、試し行為の一種です。
別れ話をもちだすのは「引き留めてほしい」「自分が本当に必要なら反対するはずだ」という心理のあらわれです。
ただ相手が自分のもとにとどまるか試しているだけなので、本気で別れようと言っているわけではありません。「じゃあ離婚しましょう」と言うと泣いて謝ってきたり、逆ギレすることも。
無視する
「電話やメールをわざと返さない」「話しかけても返事をしない」など、相手を無視することで関心をひき、どこまで相手が自分を心配してくれるかで愛情をはかります。

私もモラハラ元夫から無視されることがたびたびありました。
モラハラ夫の無視は、妻を不安にして自分の思うように従わせる意図があります。
心配させる
わざと心配させるようなことを言ったりしたりして、相手にかまってもらえるように仕向けます。
相手が自分の機嫌を取ってくれることが愛だとかんちがいして、つねに自分に注目していてほしいと思っています。
暴言を吐く
容姿をけなしたり、人格否定するなどの暴言を吐いて相手を傷つけることも試し行為です。
相手を否定することで、逆説的に「そんなお前には俺しか受け入れる奴なんていない」というゆがんだアピールをしています。
浮気する
浮気も試し行為になります。
ふつうは浮気していることを隠しますが、試し行為をする人は浮気していることを知ってほしいと思っているのであまり隠しませんし、自分から浮気していると言ってくることもあります。

ヤキモチをやいてほしい、浮気しても愛があるなら自分のもとに残るはずだ、と考えています。
わがままを言う
高額なブランド品を欲しがったり、お金を欲しがったりしてわがままを言い、相手がどこまで受け入れてくれるかを試します。

束縛もわがままの一種。

夜中に「今すぐに来て」など無理な要求をしてくることもあります。
モラハラ加害者が試し行為をする心理や理由は?

モラハラ加害者がターゲットに試し行為をするのは、以下のような心理や理由によるものです。
モラハラできる相手か見極めるため
モラハラ加害者が試し行為をする理由は、まず相手が「モラハラして大丈夫な相手かどうか」を見極めるために試し行為をします。
はじめは小さなことから始めて、相手が「これくらいならいいか」と許してくれるかどうかを探ります。
なんだか違和感を感じても1,2回くらいなら…と何も言わずに受け入れてしまうと、モラハラ加害者は「何も言ってこない人間」として認識されるため、モラハラがエスカレートしてしまうことになります。

モラハラ加害者は自分の行動すべてを受け入れてくれる、自分のことを特別に思ってくれる相手を欲しています。
相手をコントロールするため
自分に従わせて相手を思うようにコントロールするために試し行為をします。
たとえば「俺のことを愛しているなら今日くらい仕事を休んでくれるはずだ」など、自分の都合のいいようにあつかうために、理由をつけて自分の望み通りにしようとします。
相手が「できない」と断ると、「その程度の気持ちか」「愛していないんだろう」など罪悪感をあおるような言葉をいい、相手の良心につけこんで自分の要求をとおそうとします。
自分が優位に立つため
モラハラ加害者は自分のことを「特別な存在」と思っていて、いつも他人に褒められたい、すごいと思われたいという欲望をもっています。
モラハラ加害者が試し行為をする相手は、自分より下の存在だと思っているため、つねに優位に立つために相手を攻撃します。

試し行為をして相手を脅し、黙らせることで「俺はお前にこんなに影響力があるんだぞ」と優越感をもちます。
相手の困った姿が見たい
試し行為をして相手が困ったところが見たい、その姿が楽しいと思っています。
モラハラ加害者は、自分がしたことで相手が右往左往しているのをみると、相手を操れる万能感を感じ、やはり自分は特別だと思い込みます。

また、自分の試す行動で相手が耐えている姿をみて「自分を愛しているから耐えているんだ」と思います。

それが原因で相手が離れてしまっても、それは自分のせいじゃなく心変わりした相手が悪い、と思います。
嫉妬している
相手への嫉妬心から試し行為をすることもあります。

相手が褒められているとわざとけなしたりして、自分よりも下の立場におしこめます。
モラハラ加害者は自信があるようにみえて実のところは、コンプレックスが強かったり自己肯定感が低く、誰かを自分より下におかないと不安でしょうがない性質です。
嫉妬からくる試し行為は「自分が一番だと知らしめたい」という心理からきています。
かまってほしい
モラハラ加害者は自分のことを特別だと思っているので、試し行為をする相手にもおなじように特別な存在として見てほしいと思っています。
相手の感情や行動に影響を与えることができる才能をもったすばらしい自分のことを、誰かに示したい、「かまってほしい」と望んでいて、それが試し行為にでます。

また、モラハラ加害者はさみしがりやであることが多く、モラハラ被害者に依存しています。
相手をモラハラをし続けるにはそばにおいておく必要があるので、試し行為をして関心をひき、コミュニケーションをうむことで関係を保とうとします。
モラハラ加害者がすぐに「別れる」というワケ
モラハラ加害者の言う「別れる」は、 「離婚する」「別れよう」といって相手を脅して自分の言いなりにさせるための手段に過ぎません。
「別れたくない」と思う相手は、破局を恐れてますますモラハラ加害者の言うことを聞かざるをえなくなります。

自分に注意を向けさせるための方法であり、相手より優位に立ちコントロールするためのセリフです。
それでも別れを撤回しなければ、態度は一転して「お前がいたらない、俺にはふさわしくない」「ずっと一緒にいると言ったのに裏切りだ」と非難してきたりします。
モラハラ加害者の試し行動は親からの愛情不足が原因かも
モラハラ加害者は小さいころに親からモラハラを受けて育ってきた人も多いです。
たとえば親から「成績が悪い子はうちの子じゃない」と言われて育つと、条件つきでしか愛してもらえないと不安定になり、なんとか気に入られようと親の関心を引くために試し行為をするようになります。
親も親で子供を自分の思うように動かすためにモラハラするため、相手を傷つけることで愛情を試す「試し行為」があたりまえの家庭環境で育ちます。
それが成長しても治らず、もしくはそれがふつうの愛情表現だと勘違いしたままになります。
「試し行為」への対処法は?

試し行為をうけて自分の行動を相手の態度によって変えると、味をしめて試し行為がエスカレートする可能性があります。
「試し行為」をされた場合、下記の対処法があります。
傷つくことを伝える
試し行為をする本人は、自分の不安や焦りを解消するために相手を試して愛情をはかろうとします。

相手が傷つくことよりも自分のことが大切で、その瞬間の感情をどうにかしたいという一種の強迫観念です。
試し行為が「自分勝手であり、相手を傷つける行為」だということを理解していない人もいます。
程度が軽ければ試し行為が止むこともあります。
愛情を伝える
試し行為は、相手の愛情が本物なのか信じられないから確かめたいという理由があります。
信じられるように何度も愛情を伝えることで、試し行為がおさまる可能性があります。
穏やかに断る
試し行為はいちど受け入れるとどんどんエスカレートしていきます。
モラハラ相手からの試し行為に不快感をあらわしたり抗議しても、加害者が謝ってくることはありません。
むしろ「冗談じゃん」などこちらに非があるように仕向けられるので、ただ穏やかに「できない」と断りましょう。

理由を聞かれても答える必要はありません。

コロコロ態度を変えるとつけ込みやすい人間と思われてしまいます。
毅然として断れば、モラハラしにくい相手と思われて寄ってこなくなります。
反応しない
試し行為は相手の反応をみるためのものなので、反応してしまうと「また次も同じように反応してくれる」と思われてしまいます。
試し行為をする人は、自分の感情を自分でコントロールすることが苦手です。
そのため感情のままに言葉をぶつけてきますが、それに反応したところで自分で感情の制御ができない相手では解決策はありません。

試し行為に反応しないことで、彼らの「感情のはけぐち」にならないようにしましょう。
距離をおく、関係を断つ
試し行為は「信頼関係を築くには逆効果」だと分かってもらう必要があります。
しかし愛情を伝えつづけても相手の不安感を取りのぞけないこともあります。
もしあなたが彼の試し行動に耐えられなくなって本当に別れたとしても、それはふたりの決断です。

おそらく彼は見捨てた、裏切ったとののしるでしょうし、苦しいですが、人は自分の幸せのために生きるべきです。
何度も続く連絡に答えてしまうと、「反応してくれた」と思われて試し行為はおさまりません。
また、試し行為がエスカレートしている相手だと、別れたあと自分の友人や知人と付き合って関係を見せつけてくるタイプもいますが、これも反応すると試し行為はつづくので「もう関係ない」というスタンスをとったほうが無難です。
モラハラ加害者の試し行為を止めることは難しい
試し行為をする人のなかには、自分が相手を試すためにひどいことや不快に思われることをやってしまっている、という自覚がある人もいます。

こういう人の場合、「試し行為をすると相手に嫌われる可能性がある」と分かっているケースもあります。
しかし試し行為をしなければ相手の愛情を確認する方法が分からないため、やめたいのにやめられない、というジレンマにおちいっている場合があります。
しかしモラハラ加害者の試し行為は、加害者自身が試し行為だと思っていない場合がほとんどです。
モラハラ加害者の試し行為は支配欲がベースにあり、本人からすると「相手のためを思ってやってあげていること」だったりするので、自覚がない相手を変えるのはむずかしい話です。